鶴見警察署生活安全課の署員(左)から感謝状を受ける五十嵐さん(横浜元宮郵便局内で撮影)

中国人が中国人に詐欺

 振り込め詐欺を未然に防いだとして、横浜元宮郵便局(宮内茂樹局長)の職員に5月13日、鶴見警察署から感謝状が贈られた。

 感謝状を贈られたのは、元宮郵便局の五十嵐春菜さん(28)。

 対象となった事件は4月30日に発生したもので、中国人が中国人をだまそうとするものだった。

相談内容を不審に感じ

 五十嵐さんは同日10時ごろ、電話をしながら郵便局入口にあるATMを操作する60代くらいの女性を発見。「中国語だったので何を話しているかわからなかった」としながら、女性がATMを操作後、窓口で「振り込みの上限額を上げたい」と話したことから詐欺を疑ったという。

 五十嵐さんがどこに送金するのかを確認すると、女性は「中国。自分も半信半疑」などと答えたため、先輩職員らに相談。警察に通報し、駆けつけた警察官らと連携して詐欺を防いだ。

 元宮郵便局としては3回目となる感謝状。五十嵐さんは初めてということで、「防げて本当によかった。これからもお客様にしっかりと確認して、常に気をつけていきたい」と話した。

 鶴見警察署生活安全課は「警察だけでは防ぎきれない。こうして金融機関の皆さんに止めてもらえるのは本当にありがたい」と謝意を示した。

世代、国籍問わず、多様化に注意喚起

 鶴見署によると、今回の詐欺被害のきっかけは、女性のもとに無料通話アプリのLINEで、中国でよく使われている同種のアプリ「WeChat」(ウィーチャット)の本社担当者を名乗る人物から連絡があったこと。

 女性の説明では「口座に2万円以上残っていると保険が適用できない」などといった内容で金銭をだまし取られる可能性を示唆されたとしており、すでに前日までに別の金融機関などで被害にあっていたという。

 同署は在住外国人がだまされるケースも出てきているとしたうえで、「最近は若者がターゲットの被害も増えていて、詐欺は高齢者だけが気をつけるものではなくなっている」と説明。

 「世代、国籍問わず、電話やweb、アプリなどでお金の話が出たら怪しんで、一旦ご家族や警察に相談してほしい」と訴えた。


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