「鶴見区合同学習発表会」が2月27日、鶴見区民文化センターサルビアホールで開かれ、区内5校の児童・生徒が、今年度、企業や地域団体などと連携して取り組んできた授業成果を発表した。

新鶴見、入船、下末吉、鶴見小と県鶴高が登壇

 鶴見区合同学習発表会は、青少年健全育成事業の一環として鶴見区地域振興課が主催したもの。

 鶴見区では、企業や地域団体と小学校をつなぎ、総合的な学習の時間における題材のきっかけなどを提供。今回、そうした流れなどで授業に取り組んだ5校を一堂に集め、初めての試みとなる学習発表会を企画した。

 当日、発表を行ったのは、新鶴見小学校3年5組、入船小学校5年1組、下末吉小学校4年1組、鶴見小学校6年生全5クラス。また、鶴見区から来年迎える区制100周年などをテーマに、社会課題解決の施策提案を依頼された県立鶴見高校の1年生も登壇し、アイデアを発表した。

新鶴見小学校3年5組

エイサーを披露する新鶴見小の児童たち

 「鶴見と沖縄のつながり」について学んだ新鶴見小学校3年5組の児童たち。

 沖縄ルーツの人が多い歴史的背景などを横浜鶴見沖縄県人会に学び、学区内にある商店の軒先で出店している沖縄のキッチンカー「島時間」の紹介パンフレットを作成するなど、テーマにそった学習を深めてきた。

 島時間の小笠原学さんには、沖縄の伝統芸能であるエイサーを教わり、これまで地域のイベントなどで披露。発表会当日も踊り、会場を盛り上げた。

 連携した横浜鶴見沖縄県人会のメンバーからは、「小さな子どもがパンフレットなんて作れるのかと思ったが、とても立派なものを作ってもらった」と歓迎。「鶴見と沖縄の歴史など、大人が書くよりわかりやすく、県人会にとっても宝物になった」と喜んだ。

キッチンカーを取材した様子など、これまでの取組を説明した

児童が作ったパンフレット

入船小学校5年1組

オリジナルの小枝づくりに挑戦した入船小学校5年1組の児童たち

 入船小学校5年1組の児童たちは、区内下末吉に工場を置く森永製菓㈱と連携し、同社の菓子「小枝」づくりに挑戦。

 「私たちの小枝プロジェクト」と題し、独創的な4種類の味を作り上げた。

 取り組みでは、単に新しい味を考えるだけでなく、商品開発についても学習。森永製菓の社員ら協力のもと、ターゲット層や食べるシーンなどを考えるコンセプトシートも作成し、本格的な新味を考案した。

 協力した森永製菓の社員は「商品開発の部門ともディスカッションして、実際にダメ出しもあった」と裏話を明かしつつ、「食べ方、味の引き立て方、素材や形への工夫など、どれもすごく考えられていた」と子どもたちの努力を称えた。

子どもたちの活動にコメントする森永製菓㈱の社員

下末吉小学校4年1組

 「下末もったいないワールド~食品ロスについて考えよう~」をテーマに、食品ロスや3R(リサイクル、リユース、リデュース)などについて学んだ下末吉小学校4年1組。

 発表では、区内のごみ処理場を見学し、ごみが増えている現状から、地球温暖化につながっていることなどを学んだとして、「3R」の大切さを訴えた。

 同クラスは、そうした学習から、食品ロス削減に取り組もうと森永製菓㈱と連携。小枝を製造する際に発生する端切れに着目し、不要品を製品として作り変えるアップサイクルに挑戦した。

 アップサイクルの商品化では、小枝を使ったスイーツを考案。レアールつくの商店街にある喫茶ラズベリーの協力でパンケーキなど3種類が実現したことを紹介した。

 関わった森永製菓の社員は「大人でも企業でも大変な販売への一歩をわずか10歳の子どもたちが踏み出したことに敬意を表する」とコメント。「食品ロスなどについて、考えるだけで終わらず、手を動かす貴重な場になったと思う」と話した。

考案した商品は、喫茶ラズベリーで3月第1・2・3土曜日14時~15時に限定販売される

鶴見小学校6年1組

 6年生全5クラスが参加した鶴見小学校。

 1組は、「持続可能な社会を目指して~廃食油の行方~」について発表。食と環境について学びを進めるなか、油を排水溝に流すデメリットを知り、廃食油の再利用に注目した。

 学習では、地域団体が月に1度行っている区役所での廃食油回収のようすなどを学んだとし、「一人ひとりが環境について考えて生活するべき」と訴えた。

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 環境保護を進めたいという思いから、鶴見川の魅力発信のために生き物展示などに取り組む2組。鶴見川水族館(ツルスイ)と題し、環境保全活動を展開するなかで、アニメーションの手法を取り入れ、ツルスイの動画を作成した。

 児童たちは「未完成」としながら、当日、動画を会場で発表。地域のイベントなどで紹介した様子を紹介し、「皆さんも私たちと一緒に鶴見川の未来を作っていきませんか」と訴えた。

 

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 鶴見の魅力を伝えるためにグルメタウンマップの制作に取り組んだ3組は、鶴見駅周辺で厳選したコーヒー店やラーメン店など6店舗を紹介。

 実際に店舗を訪れ、取材した内容を児童目線でPRした。

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 4組は、鶴見区が外国ルーツの住民が多いことなどから、「外国の魅力を鶴見に広めよう」をテーマに、アジア圏の料理づくりにチャレンジ。

 日本の和菓子から韓国、中華、タイやフィリピンの家庭料理に取り組んだ。児童たちは「ぜひ、皆さんも外国の料理を学び、意外な発見を探してみてください」と呼びかけた。

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 日ごろお世話になっている地域への恩返しとして、鶴見の人が安心して暮らせるようにと「防災」をテーマにした5組。

 「鶴見防災(ツルサイ)プロジェクト」と題し、防災のなかでも「食」にスポットをあて、非常食づくりに取り組んだ。

 取り組みにあたっては、レトルト食品として非常食も手がける下末吉の横浜開花亭と連携。どの家庭にもあるような食材を使った非常食として、パンやスパゲッティ、カレーライスなどを考案し、イベントなどで紹介したことを発表した。

県立鶴見高校1年

 県立鶴見高校の生徒たちは、鶴見区からのお題を受け、「地域課題に関する提案」について発表した。

 当日は、校内でのプレゼンを勝ち抜いた「区制100周年」、「商店街振興」の施策を考案した4グループが登壇。

 森永との連携や、リアル人生ゲーム、新名物の開発などを提案し、SNSを活用したPRや各種割引といった若者目線で具体策を語った。

 講評を行った渋谷治雄鶴見区長は「とても幅広いテーマで、深いところまで学習していることがわかった。社会課題に対する提案までありがたかった」としたうえ、「引き続き色んな場面で活躍してもらえれば。区役所としても子どもたちのために、今後もさまざまな取組を考えていきたい」と話した。

講評した渋谷区長


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