来場者からの質問にオンライン上で応える浅川素子さん(中央画面)

「みんなちがって みんないい」

 養護学校高等部と公立学校支援級に通う鶴見区内在住の兄弟の日々を記録したドキュメンタリー映画「そらくんとたからくん」(齋藤一男監督/にじメディア制作)の上映会が、9月4日、寺尾センターで行われた。

 主催したのは、「つるみ子育て・個育ちフォーラム」(金子セツ子会長)。鶴見区内の30を超える子育て関連団体や自治会、行政、区民有志らが参加し、子どもたちが健やかに心豊かに育つ地域づくりを目指して様々な取組を実施している団体だ。

子どもに教わるばかり 周囲への甘え許す姿勢も

 当日は親子連れから高齢者まで約140人が来場。上映後には、齋藤監督と兄弟の母親である浅川素子さんとのトークセッションもあった。

 演劇のワークショップで知り合ったという齋藤監督と兄弟。映像は、母・素子さんのインタビューを交えながら、二人の通学の風景や家での日常など、普段の様子を伝えていた。

 定期診察の病院に向かうシーンを見た子育て中の母親からは「一人がどんどん進んで、もう一人は気になるところで立ち止まって。子育てあるあるだ」と話し、周囲と何ら変わらないと感じたとした。

そらくん(右)とたからくん(左)

 映像では、二人の通学に地域のガイドボランティアが活用されていることも描かれた。

 浅川さんは「人とかかわるのは難しいと思っていたが、地域の人たちは案外ゆったりとかかわってくれて、私が壁を作ったらいけないと思った」と振り返り、「今はいろんな人に甘えまくっている」と笑顔を見せていた。

 「二人に気付かされ、教わるばかり」と浅川さん。「現代は大人が忙しすぎる社会。子どもが大人に合わせている」と自身の考えを示しながら、「思いを巡らせ、一緒に生きていくことを大切にしたい。これからも息子とまちを歩いていきたい」と話した。

10月2日にも交流会

 つるみ子育て・個育ちフォーラムでは、10月2日午前10時30分〜正午まで、寺尾センター(Google地図Yokohamashi Teraochiku Center)で浅川素子さんとの交流会を予定している。問い合わせはメールtsurumi.kosodate.forum@gmail.com。

 22年目となる「つるみ子育て・個育ちフォーラム」は例年、鶴見公会堂で大規模イベントを開催していたが、コロナ禍を経て今年から地域を巡回する形に変更。6月に潮田で開催し、今後は矢向地区でも親子向けイベントの実施を予定している。


最新記事