3代目となる現庁舎

1924年、神奈川警察署より独立

 鶴見警察署が今年2024年1月1日、警察署として独立し100年を迎えた。1月23日には創設100周年を記念した式典などが行われ、集まった関係団体や地域住民らとともに節目を祝った。

 鶴見警察署は、1907年(明治40)に設置された神奈川警察署鶴見巡査駐在所が始まり。19年(大正8)に同署鶴見警部派出所、21年(大正10)に同鶴見分署へと昇格し、24年(大正13)1月1日に独立した。

創設当時の初代庁舎(=鶴見警察提供)

署員数は創設当初から4倍超に

 1937年(昭和12)には2代目の庁舎が落成。現庁舎は1980年(昭和55)に建てられたものだ。

 署員数は1926年(大正15)年の創設当初の84人から、現在360人余りと4倍以上に増加。署長は現・飯塚博史署長で第72代目となっている。

1937年(昭和12)に建てられた2代目庁舎

県警史上に残る大事案にも対応

 式典であいさつに立った神奈川県警察本部・直江利克本部長が「創設当初から存在感を発揮しており、県警の歴史に残る大事案に対応してきた」と語ったように、独立翌年には、「日本最大の喧嘩」とも言われ、検挙者が400人以上となった鶴見騒擾(そうじょう)事件が発生。

 1963年(昭和38)には、東海道本線鶴見駅と新子安駅間の滝坂不動踏切付近で発生し、戦後2番目となる161人の犠牲者を出した旧国鉄鶴見事故への対応など、事件・事故問わずさまざまな場面で地域の安心と安全を守る歴史を積み重ねてきた。

正装に身を包み、これまでの感謝と未来への決意を述べた飯塚署長

警察官友の会など有志9団体が実行委員会

 23日、鶴見警察署道場で開かれた記念式典は、鶴見地区警察官友の会(遠藤一郎会長)をはじめ、鶴見交通安全協会や鶴見安全運転管理者会、鶴見区防犯協会といった警察関係団体のほか、鶴見区自治連合会、鶴見区工業会、鶴見法人会、鶴見区商店街連合会、大黒ふ頭連絡協議会の有志9団体による鶴見警察署創設100周年記念事業実行委員会が鶴見警察署とともに主催。

 多くの来賓や地域住民ら約160人が参加し、第一部の式典ではこれまでの歴史の紹介や記念動画の上映などがあった。

明治時代の制服も披露された

「引き続き鶴見の守護神として」

 地域住民らを迎え、正装に身を包み式辞を述べた飯塚署長は「大正から令和まで多くの歴史的な事件事故が発生してきたが、区民の皆さんと乗り越えてきた」とし、「鶴見区の治安維持の要として歩み続けてこられたのは、皆さんのおかげ」と感謝。

 「近年多様化する犯罪情勢のなかではまだ課題がある」としながら、「これまで先人が築き上げてきた歴史と伝統、信頼を受け継ぎ、区民が安全・安心して暮らせる鶴見区を実現するため、鶴見区内の治安維持に全力でまい進する」と決意を語った。

 鶴見地区警察官友の会の遠藤会長は現役の署員たちを前に、長年にわたり鶴見の治安を守ってきた歴代の署員に感謝と敬意を表したうえで、「引き続き鶴見の守護神として守り続けてほしい」と願いを込めた。

飯塚署長に記念品の目録を手渡した鶴見地区警察官友の会の遠藤会長(右)

記念品に懸垂幕、デジタルサイネージ

 式典では、同記念事業実行委員会から懸垂幕、鶴見地区警察官友の会からデジタルサイネージがそれぞれ贈られたことも紹介。

 懸垂幕は庁舎前の広告塔に掲出され、サイネージは1階入口正面の壁面に取り付けられた。

 また、この日、建替え中だった尻手交番が開所されたことも発表された。

1階の待合スペースに設置されたデジタルサイネージ

新たな懸垂幕のスローガンは署員のアイデアによるものだという

武道始で真剣勝負を披露

 同日、第二部として新年恒例の武道始式が開かれ、署員たちが柔道や剣道で真剣勝負を展開。

 実践逮捕術なども披露され、日ごろ鍛錬を積む署員の技や動きに、観覧した区民らから大きな歓声が上がっていた。


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