当日振る舞われた十割そば。西会津産のコシヒカリを使ったおにぎりもあった

風評被害払しょくに協力

 福島県西会津町の手打ち新そばを楽しむイベント「西会津町新そばまつり2022in鶴見」が先ごろ、下三町内会館で開かれた。

 西会津町は鶴見区の友好交流都市の一つ。

 イベントは、鶴見銀座商店街の㈱木曽屋と、西会津町で農業を営む㈱イナカ農産らによる民間交流で行われているもの。

 東日本大震災発生後、風評被害に悩むイナカ農産らが、農産物販売で鶴見銀座商店街のイベントに出店したことをきっかけに始まり、今年で8回目となった。

50人が舌鼓 町長、区長も交流

 2部制とした当日は約50人が訪れ、西会津町のそば打ち名人・伊藤徳寿さんによる打ち立ての十割そばを堪能した。

 西会津町からは町長としては初めてとなる薄友喜町長が参加。鶴見区からは渋谷治雄区長のほか、西会津町出身で在京西会津会会長の新田興助さんも出席し、新そばに舌鼓を打った。

「鶴見の人は温かい」 地道に交流継続へ

 イベントには毎年のように訪れる“常連”の姿もあり、「やっぱりおいしい」「今年も来たよ」と笑顔があふれた。

 「(震災以降)まだまだ苦しい状況は続いているが、歓迎されるようになってきた」と話すイナカ農産の仲川久人さんには、忘れられない瞬間がある。

 震災翌年、初めて訪れた鶴見銀座商店街での販売会。

 「何かあったら責任を取れるのか」。土がついたままのじゃがいもを見て、そうした声が飛んだ。風評被害だった。

 「そのとき、商店街の人たちが嫌なら買わなければいいと言ってくれて。『がんばれ』と支えられた」。仲川さんはそう振り返り、「鶴見は特別」と目を細める。

 今回のそばまつりのように、現在は販売会のたびに待っていてくれる人も増えたとし、「鶴見の人は温かい。いきなり全国は難しいので、地道にまずは鶴見から。払しょく活動を続けていければ」と話した。


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