公募の50音でオリジナルカルタ

 「江戸時代 昔からやってる 蛇も蚊もまつり」ー生麦3〜5丁目付近を中心とした生麦第一地区でこのほど、コロナ禍でも地域に愛着をもってもらおうと、公募で集まった地区内の歴史や見どころなどを盛り込んだオリジナルの50音カルタ「なまいちじゃんカルタ」が完成した。

 作成したのは、地域住民による福祉団体・生麦第一地区社会福祉協議会(飯田正二会長)。同協議会は現在、作品を応募した生麦小学校をはじめ、生麦地区センターやひまわり学童クラブなど関係各所に贈呈を行っている。

 関係者は「楽しみながら生麦のことを知ってもらえれば」と今後のカルタの広がりに期待を寄せる。

地域の力と愛が結集して完成した「なまいちじゃんカルタ」

コロナ禍、活動継承、地元愛醸成を模索

 なまいちじゃんカルタは、コロナ禍で地域行事や交流の場が減少する中、子どもたちに伝統や文化を継承し、地元愛を育んでもらえるようにと発案されたもの。

 主体となった生麦第一地区社協では、鶴見区が推進する誰もが安心して健やかに暮らせるまちづくりの活動「鶴見あいねっと(鶴見区地域福祉保健計画)」に基づき、地区計画の目標の一つに「活動の継承・活性化」を掲げており、その達成に向けた取組として実現した。

生麦小児童、住民から284点

 カルタ企画は2020年10月にスタートした。

 コロナ禍の情報発信源として、年2回だった地区社協だよりを毎月発行とする中、既存の編集委員会が意見交換の場にもなると「生一連絡会」という新たな役割を設置。地域住民や地域の福祉拠点となる生麦地域ケアプラザなどが参加して話し合いを重ねてきたという。

 カルタの内容は、生麦小学校や地域住民に協力を依頼して募集。21年に読み札、22年に絵札を募る2カ年事業とし、読み札177点、絵札107点の計284点の作品が集まった。

 選考は、生麦の見どころや伝統行事、集いの場などについて書かれた作品を対象に行い、読み札・絵札ともに44枚を公募作品で制作。応募のなかった不足分は生一連絡会で考案した。

1月11日、生麦小であった寄贈式

「遊びながら生麦を学んで」

 最初の寄贈場所となった生麦小学校では、1月11日、飯田会長らが学校を訪れ、代表児童らに12セットを贈呈。飯田会長は「みんなのおかげで完成した。生麦のことがたくさん書いてある。飾ってないでたくさん遊んで」と子どもたちに呼びかけた。

 自分の絵が採用されていたという男子児童は「びっくり。でも嬉しい」と目を丸くして笑った。

生麦地域ケアプラザで貸出 大会なども予定

 「昨年11月、完成間近のカルタで小学生によるテスト遊びを実施した際も好評だった」と生麦地域ケアプラザ。

 飯田会長は「ゲームの時代にカルタはどうかとも思ったが、喜んでくれて良かった」と笑顔を見せた。

 カルタは全40セットを制作。生麦小、生麦小学校放課後キッズクラブ、ひまわり学童クラブ、障害者地域活動ホーム「ふれあいの家」、生麦地区センター、生麦地域ケアプラザ、鶴見区役所、鶴見区社会福祉協議会に寄贈された。

 生麦地域ケアプラザで貸出が行われているほか、今後はカルタ大会なども予定。年代を問わずに楽しめるものとして、交流ツールなどとしても活用していくという。


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