鶴見区役所の正面玄関に置かれたシェアサイクル。白い車体が目印だ

 鶴見区は重点展開区に

 横浜市はこのほど鶴見区を含めた市内全域でシェアサイクル事業の社会実験を開始した。重点展開区となる鶴見区では、7月13日から利用がスタート。鶴見区役所やJR鶴見駅東口、京急生麦駅など5カ所の公有地にサイクルポートが設置されている。

 バスの補完、脱炭素化など目指し社会実験

 シェアサイクルは地域内に設置された複数のサイクルポートを相互に利用でき、借りた場所でなくても返すことができるシステム。

 今回のシェアサイクル実験は、バス便の少ない地域などでの公共交通の補完、環境負荷の軽減による脱炭素社会の推進などが目的。2025年3月末まで行われる。

 横浜市では2014年から、みなとみらいなどの都心部で赤い自転車「ベイバイク」を展開。都心部以外に拡大する今実験では買い物やレジャー、通勤通学など移動手段の一つとして導入を決定した。

 開始にあたり横浜市は6月、ベイバイクを実施している㈱ドコモ・バイクシェアと、同じくシェアサイクル事業を手がけるOpenStreet㈱の2社と協定を締結。ベイバイク実施エリアを除く市内を北部・南部、中部にわけ、鶴見区はOpenStreet㈱が担当する。

 鶴見区内周遊にも活用を

 横浜市が事業を開始する際、重点区としての実施に手を挙げたという鶴見区。担当の職員は、通勤通学などの日常使いはもちろん、馬場花木園やみその公園「横溝屋敷」といった駅から離れた鶴見区の見どころを周遊してほしいという思いで名乗りを挙げたと話す。

 JR鶴見、尻手、京急鶴見市場、生麦など駅前周辺公有地にポート

 鶴見区内の公有地サイクルポートは8月25日現在、鶴見区役所(鶴見中央3−20−1)、鶴見駅東口第五自転車駐車場(鶴見中央4−9−2)、鶴見市場駅東口第二自転車駐車場(市場大和町1680−11)、生麦駅西口自転車駐車場(岸谷1−10−29)、尻手駅自転車駐車場(尻手3−138−2)の5カ所。約25台が稼働している。

鶴見駅東口第5自転車駐車場のポート

 すでにある民間のポートとも連携して実施される社会実験。同日現在、民間ポート数は区内全域で約25カ所が稼働。区によると市内では多く、需要は高い傾向だという。

 鶴見区では、今後も随時公有地ポートを増やしていくとし、利用状況を見ながら台数の増減も検討していく。区担当者は「置いてほしい場所など希望があれば相談してほしい」と呼びかけている。

 シェアサイクルの利用法は、専用アプリ(HELLO CYCLING)をダウンロードし、会員登録後に予約して利用する。料金は神奈川県内では利用開始30分まで130円、以降15分延長ごとに100円加算。詳細はHELLO CYCLINGホームページ。


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