鶴見市場に「暮らしの保健室」 駄菓子屋こどもの店でスタート 横浜石心会病院が協力
看護師ら専門職が月に1度滞在
専門家と雑談しながら、ちょっとした体の悩みが聞ける「暮らしの保健室」が、鶴見市場でスタート。
京急鶴見市場駅すぐにある駄菓子屋カフェ「こどもの店」=鶴見区市場大和町8-2=で9月4日、看護師など専門職が滞在し、来店者の悩みなどを聞く取組「いちば暮らしの保健室」が始まった。
取組には豊岡町にある横浜石心会病院が協力。初回の4日は、同院の看護師で看護課長を務める今井明子さんが訪れた地域住民の声に耳を傾けた。
今後は毎月1度の開設を予定しているという。

もともと居場所として、交流するためのテーブルなどがある店内
鶴見区の仲介で実現
いちば暮らしの保健室は、こどもの店を営む小島華子さんが発案したもの。
小島さんは昨年、鶴見区による地域活動の手法などを学ぶ体験型講座「まちづくりゼミナール」を受講した際、川崎市中原区の「暮らしの保健室」を見学。取組に感銘を受け、「自分の店でもやりたい」と奔走してきた。
看護師など専門職に常駐してもらう予算がなく、一度は実現を諦めかけたものの、鶴見区の仲介で地域貢献先を探していた横浜石心会病院が無償協力を快諾。月に1度の開催にこぎつけた。

今井さん(中央奥)を囲み、最近の様子などを話す来店者
いつもの場所という気軽さ
こどもの店は、日中は高齢者、放課後は子どもたちが集まる地域の居場所。暮らしの保健室が開設された午前中は、地域のお年寄りなどが来店。
「こんな病気をしたことがある」「手がしびれる」といった何気ない会話を交わす場面が見られた。
参加した地域住民は「こういうところの方が気軽さがある」と満足気に話し、今井さんも「こちらも楽しく過ごせた」と笑顔だった。
同院は今回の協力について、「病院は地域のためにある。もっと鶴見の地に根付いていきたいと思っていたところ、月に1度ならばと無償での協力を申し出た」と説明。「ベースは看護師だが、社会福祉士や理学療法士など、さまざまな専門職を派遣することで、違う視点でお話を聞けるのでは」と話した。

笑顔で話を聞く今井さん(左)
◇ ◇ ◇
90代の隣人が「病院に行っても全部年のせいにされちゃう」と冗談まじりに言ったことを思い出し、「『これだ』と思った」と開設の経緯を振り返る小島さん。
「病院では相談しづらいことも、なじみの場所ならできるかもしれない。糸口を見つける場になれば」と期待を込めた。
いちば暮らしの保健室は、毎月第1木曜日10時30分~12時に開設。参加費は無料。滞在する専門スタッフは月ごとに変更となる可能性あり。
問い合わせは、こどもの店090-8438-9870。

京急鶴見市場すぐにあるこどもの店