子どもたちとコミュニケーションする白土さん(右)

子どもの絵を原画にアニメーション

 横浜鶴見沖縄県人会館で5月10日、子どもたちの描いた絵でアニメーションを作るワークショップが開かれ、参加した小中学生がアニメの元となる原画を制作した。

 「つるみでアニメのワークショップ」と題した企画は、横浜鶴見県人会(金城京一会長)による取組。

 講師は、「ゲゲゲの鬼太郎」や「宇宙戦艦ヤマト」など、1960年代後半から名だたるアニメの作画監督などを務めたアニメーターの白土武さん。

 白土さんは、2022年から沖縄県でキャリア教育推進などを目的としたアニメーションのワークショップを行っており、今回、沖縄とつながりの深い鶴見区での開催に至った。

白土さんが描いたタイトルボード

「世界の妖怪」テーマに独自キャラ

 当日は県人会会員の子どもら27人が参加。白土さんが沖縄で子どもたちと作ったアニメを鑑賞したあと、実際に絵コンテを作った。

 テーマは「世界の妖怪」で、子どもたちは頭に思い描いたモンスターたちを作成。色鮮やかなかわいい妖怪から、本格的なものまでオリジナルキャラクターを完成させた。

白土さんによる参考

完成した絵を子どもたちが説明

アフレコ、三線で音楽も録音

 原画づくりのあとは、アニメーションに声を吹き込むアフレコにも挑戦。子どもたちは白土さんが作ったシナリオに合わせ演技も体験し、作品に使用する音楽として三線での演奏も録音した。

 アニメは5月中に完成し、上映会も実施する予定という。

白土さんによるシナリオに合わせ、セリフを録音する子どもたち

 絵が好きで参加したという潮田中学校2年の大津由佳さん(13)は、白土さんから絵を褒められたとしたうえ、「『やめないで続けて』と言われて自信になった」と笑顔。「自分が描いた絵が動くなんて、想像しただけで感動する。とても楽しみ」と完成を待ち望んだ。

 ワークショップを終え白土さんは「毎回子どもたちの想像力に驚かされる。いい絵ばかりだった」と感嘆。「今は3Dの時代だが、手書きには人間の感情が入る。しっかりとアニメにして、少しでも興味を持ってもらえれば」と話した。

三線が得意な参加者がアニメーション用の音楽を演奏


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