今日の「鶴見な人」vol.2<br /> 笹方 未祐花さん

踏み出した責任胸に

笹方 未祐花さんさ さ か た    み ゅ う か         汐入町在住 21歳

学生団体はぐみーの代表として、子どもたちの学習支援や居場所づくりなどを行う。団体発足から約2年。月に一度、鶴見中央コミュニティハウスで小学生を中心とした教室を開くなど活動を継続している。

「自分自身を大切に」と思い込め

 「学習支援の教室がようやく定着してきた」。弾んだ表情でそう話す。

 団体名の「Hug me」(ハグミー)は、自分で自分を大切にできるように、活動を通して子どもを育み、自信をもってほしいーそんな思いで名付けた。

 立ち上げたのは2020年10月。大学入学後、1年生の秋だった。『なんかやろうよ』友人だった現副代表からの何気ない誘い。通学もままならず制限ばかりでくすぶっていたコロナ禍。高校時代に目についたボランティアには参加してきた経験。友人の一言に背中を押され、子どものためのボランティア団体設立にいたった。

 「一人でやるのはハードルが高かった。友だちは本気だったかわからないけど」と笑う。

簡単じゃない現実

 認知度や信頼ゼロからのスタート。不定期ながら毎月場所を借り、個人のSNSアカウントなどを使って周知した。欠かさず企画してきた小学生向けの学習支援教室。集まるのはメンバーのみという日々が続いた。

 「誰がやっているかわからないのがネックだった」。思いだけでは進まない現実に、モチベーションが下がったこともあった。

 流れが変わったのは、企画したイベントが出身保育園の園長の目に止まり、園でのイベントが実現してからだった。「形になって嬉しかった」。それをきっかけに少しずつ広がった地域での輪。今年1月から、鶴見中央コミュニティハウスの協力で学習支援教室の定期開催が決定した。

 「学習室ひだまり」。ぽかぽかあたたかい居場所として、2月に1人、3月に1人が参加。定員6人のところ、現在は3〜4人が毎月通うまでになった。

 「事前予約で初めて申し込みがあったときは、嬉しくてすぐみんなに知らせました」

 満面の笑みを浮かべた彼女は言う。「踏み出したからには止まれないじゃないですか」。思いを持ち進めた一歩目の責任。始めたからには簡単に諦めない。それが参加者ゼロでも継続してきた理由だった。

子どもたちと接する笹方さん

子どもの笑顔でプラスマイナスはゼロ

 千葉にある大学に2時間半かけて通う。障害などへの理解をともない、支援能力を備えた教諭を育成する発達教育学部で学ぶ。「教育にかかわりたい」。教諭になるのが夢だ。

 小学校のころに感じていた障害児との壁。同じ場にいるのに“違う”という雰囲気。困りごとに耳を傾け、話しかけると「魅力があって、違う何かを持っていると思った」。

 壁をなくしたい。教育の面から変えていけたら。はぐみーを立ち上げた原点にも通じている。

 だから、どんな子も受け入れる。初めは入室にも抵抗のあった障害のある児童が、会話ができるようになるなど、回を重ねて打ち解ける姿を見られるのが原動力。

 「元になるカリキュラムがあるわけではなくて、子どもたちの様子を見て考えています」。教材もすべて手作りと大変な部分は多いが、「子どもの成長が楽しい。笑顔でプラスマイナスゼロ」と頬を緩ませる。

違いを認め合える社会に

 「先のスケジュールが決まっていないとダメ」「思い立ったら行動するタイプ」

 自己評価の通り、スケジュールは分刻み。本業の大学生、はぐみーの代表に加え、母校である入船小学校と生麦小学校で、特別支援教育支援員のボランティアとしても活動。さらに最近では、昨年、自身が血液の病気で輸血を受けたことをきっかけに「何か返さないと」と骨髄バンクを周知するユースアンバサダーのボランティアにも登録した。

 「色々やりすぎて、友だちにも信じられないと言われていますが、ちゃんと遊んでいますよ」とケロリ。大学の課題などは?の問いには「2時間半の電車で」と、“すき”はない。

 多忙に身を置く毎日だが、3年生になり夢の教諭への道も本格化した今、心配は団体の存続だ。

 年齢の近い大学生だから出来ることがあると設立したはぐみー。現在スタッフは7人ほど。設立当初、高校生だったメンバーも大学生になり、若いメンバーの募集も急務となってきた。

 「教室の回数も場所も拡大して、どこに住んでいても通えるようにしたい」。鶴見区全体に活動が広がり、「違いを認め合えるような社会が広がれば」。思いは深く、大きい。

 小学校低学年の児童が多いというひだまり教室。「今来ている子たちが卒業するまではかかわるつもりですが、あくまで主体は学生としたい」。立ち上げた代表としての責任を果たしつつ、後輩たちに道を譲るタイミングも模索する。まだしばらく、多忙を楽しむ日々は続きそうだ。(了)

【学生団体はぐみー】大学生を中心に子どもたちのレベルに合わせながらリクエストに答えて学習支援を実施

■開催日時/毎月第3日曜日 9時30分〜12時30分(時間内はいつでも参加可能)

■参加申し込み・問い合わせ(事前申し込み制)/ホームページ      Instagram     Twitter

※当コーナーは横浜市鶴見区内で活躍する人たちを紹介する不定期コーナーです


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