まちづくりの指針 地区別に策定

 鶴見区地域福祉保健計画「鶴見・あいねっと」推進フォーラムが2月18日、鶴見区民文化センターサルビアホールで開かれ、参加した鶴見区民らがコロナ禍での活動事例などを共有した。

 主催は鶴見・あいねっと推進委員会、鶴見区、鶴見区社会福祉協議会。

 「鶴見・あいねっと」は、誰もが安心して暮らせるまちづくりの指針となる計画。横浜市では市計画をもとに18区別に策定され、さらに区計画をもとに住民らが地区別の計画をまとめる形で推進されている。

 鶴見・あいねっと推進フォーラムは、各地区での活動を共有するなど、年に一度の集大成の場として開催。コロナ禍で中止が続いており、4年ぶり17回目となった。

個人74人、6団体の活動に栄誉

 二部制となった当日、第一部では令和4年度、鶴見区内の社会福祉活動に対し、功労のあった個人・団体を表彰する「社会福祉功労感謝会」を実施。

 社会福祉、ボランティア活動などに貢献した個人74人、6団体に感謝状が贈られた。※贈呈者一覧は主催者意向により非掲載

半世紀続く高齢者の会食会「やよい会」もコロナ禍で工夫

 第二部は地域活動の事例共有として3団体が登壇。動画で様子を発表し、活動を紹介した。

 上末吉地区で約50年も続くという一人暮らし高齢者の会食会「やよい会」は、コロナ禍で長年続いた歴史が途絶える窮地となったものの、「休止より続けることが大事」と、弁当形式にシフトした経緯を発表。

 対面が制限される中でも、「スタッフの情報交換はできていた」とし、コロナ前にグループLINEを作っていたことが奏功したことを明かした。

コロナ禍の工夫の様子を話す上末吉地区「やよい会」のメンバー

 上末吉地区社会福祉協議会事務局長の落合農美さんは、地域の自主グループから活動する場が減っていると耳にしていたことから、「会食の再開にあたり、ハーモニカのグループやヘルスメイトさんのほか、3月からは民謡や朗読の会にも参加を呼びかけた」とコメント。地域活動の受け皿として活動の幅を広げている事例を伝えた。

「人に優しくなった」 ガイドボランティアという寄り添い方

 障がい者の外出を支援するガイドボランティアの紹介では、実際に通学時に寄り添う姿を撮影した動画を上映。ガイドボランティアについての説明や、やりがいなどが語られた。

活動中の姿を伝える動画とともにガイドボランティアについての説明や意義を語った

 登壇した庄司猛さんは、「ボランティアになって変わったことは?」という問いに、「席を譲る、困っていそうな人に声をかけることが躊躇なくできるようになった」と返答。「以前と比べて、人に優しくなったのでは」と微笑んだ。

 ボランティアを受け入れる鶴見区移動情報センターの齋藤政一さんは「大部分の方がボランティア経験がなく、自分で出来るか不安で一杯。少しでも解消して長く続けてもらえるようにフォローしている」と話した。

矢向小4年生が「吹き矢」で地域に健康と交流届ける

 小学生による地域住民との交流の一例として披露されたのは、矢向小学校4年5組によるあいねっとの取組だ。

 まち探検のなか、「つながり」を大切にする鶴見・あいねっとの活動に興味を持ったという児童たちは、「年齢に関係なくつながる活動」として、健康づくりと交流という目的から「吹き矢」に着目。

 地域住民と吹き矢を通して交流し、参加者の体力向上にも寄与したことなどを発表。当日はサプライズで児童らが登壇し、学習の中で作ったという「あいねっとの歌」を披露して会場を沸かせた。

 矢向地区連合町内会の渡邊浩会長は「初めは吹き矢?と思ったが、健康と言われて、あいねっとに通ずると思った」と子どもたちの取組を歓迎。

 交流の中で「何をしたら地域の人は喜ぶか?」という質問があったことを語り、「登下校のとき、地域の人たちに『おはよう』『こんにちは』と声をかけてと言った。それが相互の見守りになる」と伝えたことを紹介した。

 事例発表のコーディネーターを務めた㈱メディコラボ研究所代表取締役で、鶴見・あいねっと推進委員会副委員長の八森淳さんは、3団体の事例を聞き、「コロナ禍でも動いている活動がある。このフォーラムを機会に、次のステップに活動を進めてもらえれば」と総括した。

 鶴見・あいねっとの詳細、紹介動画は鶴見区ホームページ(こちら)参照。

事例共有を総括した八森さん


最新記事