飾りが破損し、金具が不足するなど傷みが進んでいた東寺尾第一、第二、第三自治会が共同管理するこども神輿

 横浜市鶴見区東寺尾1丁目・2丁目・3丁目の住民有志らが5月1日、「地域の子どもたちのため」と、コロナ禍で傷んだ「こども神輿」の修復を目的としたクラウドファンディングを立ち上げた。

 目標金額は150万円。コロナ前にあった子どもたちの声が響く祭りの風景。「3年止まり、見たことのない子どもも増えた。なんとか体験させてあげたい」と企画した住民らは力を込める。

東寺尾こども神輿保存会を設立

 クラウドファンディングを立ち上げたのは、東寺尾第一、第二、第三の3つの自治会の有志住民たち。

 東寺尾こども神輿保存会を設立し修復に取り組む。こども神輿を復活させることで目指すのは「郷土愛」の醸成だ。

◇ ◇ ◇

 もともと一つだった3自治会では、当時からこども神輿を所有。

 現在は例年8月、周辺地域の鎮守社である東寺尾・白幡神社で共同の祭礼を実施しており、寺尾小学校や上寺尾小学校など、地域の小学生を対象に担がれていたという。

 保存会によると、こども神輿は完成から40年以上が経過し、代々受け継がれてきたものだとする。

 神社の神輿庫に保管してあったが、コロナにより祭礼は2019年を最後に中止となっていた。

 そんな中、昨年初めごろにこども神輿の状態を確認したところ、破損や傷みが発覚。修繕見積もりが高額だったことから、有志住民が自治会会長らにクラウドファンディングを提案し、チャレンジすることとなった。

「子どもたちのため」と3自治会などから集まった東寺尾こども神輿保存会のメンバー(写真右から2人目が鈴木会長)

歴史や意義学ぶ機会にも

 「担ぎ手は小学校高学年が主体だった。神輿に触れたことがないまま卒業した子たちもいる」と話すのは、東寺尾こども神輿保存会会長の鈴木宏明さん。東寺尾第一自治会でも役員を務め、今回のクラウドファンディングを提案した一人だ。

 「神輿を直し、郷土愛を育むと同時に、改めて歴史や担ぐ意味などを教える機会にもしたい」と鈴木さん。「クラウドファンディングなら、東寺尾を離れても思い出のある方、これまでかかわった方たちにも届くはず」と話す。

「子どもたちへの思いに、共感と支援を」

 募集期間は5月1日〜7月10日までの70日間。リターンは、開設した東寺尾こども神輿保存会ホームページへの氏名掲載や、こども神輿巡行時に各町会中継所の掲示板に金額と氏名記載など。

 「4年ぶりの祭礼復活も合わせて進め、修繕したこども神輿で各町内会に元気を届けたい。子どもたちへの思いに共感し、少しでもご支援頂ければ」と同会メンバーは呼びかけている。

 東寺尾こども神輿保存会によるクラウドファンディングはオールイン方式として、目標金額に満たない場合も計画は実行される。

 詳細はクラウドファンディングページ(こちら)。


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