モットーは「地球にちょっといいこと」

 「地球にちょっといいこと」をモットーに、SDGsの周知や普及に取り組む部活動が鶴見区内にある。横浜市立東高校(馬場3丁目)の「サステイナブル研究部」(通称=サス研)だ。

 最近では子どもでもわかりやすい新しいワークショップを開発し、「多くの人に身近なSDGsを知ってほしい」と活動している。

東高生が考案したワークショップで使う手づくりのカード

校内普及やファンケルとのコラボも

 持続可能な開発目標として、国連で定められた17の国際目標を指す「SDGs」。2030年までに達成する目標として、「誰一人取り残さない」ことなどを原則としている。

 東高校のサス研は、同校がユネスコスクールに認定されたことを受けて、2019年に創部。

 古着を回収して途上国にポリオワクチンを送る「古着deワクチン」や、世界的ないじめ防止啓発活動である「ピンクシャツデー」などを校内で展開するなど、「地球にちょっといいこと」をモットーに、生徒たちができることを楽しみながら取り組んでいる。

 今年1月には、化粧品メーカー・ファンケルと共同で洗顔料ボトルのデザインを考案。鶴見銀座商店街のイベントでPRを行うなど校外へも活動の幅を広げている。

違和感から多様性に気づくワークショップ考案

 「SDGs普及のためのゲームやワークショップは長時間のものが多い」。そもそも難しいイメージのある「SDGs」だが、ごみの減量や多文化の理解など、身近にできることはたくさんある。

 そうした現状を受け、もっと身近なものとして簡単に普及できないかと、サス研がもともとあったワークショップ改良し、新たにゲームを開発。先日行われた東高文化祭でお披露目された。

 所要時間は5分程度。「誰一人取り残さない」というSDGsの根幹をなす多様性を理解するためのワークショップだ。

ワークショップを行う生徒。「体験型SDGs」をテーマにした文化祭で初披露した

常識や価値観、異文化の理解を促す

 まず2チームにわかれ、洗濯、スキー、貯金、英会話…次々に出されるカードにジェスチャーで出来るか出来ないかを示していく。ゲーム中は喋ってはいけないことがルール。

 次に一人を入れ替え、同じように判断していくのだが、出来る・出来ないのジェスチャーが両チームで異なっており、「話を聞く」や「走る」といったことも出来ない人がいることに違和感を覚えるというもの。

 その違和感から、違いに気づく単純明快ながら奥が深いゲームになっている。

 ワークショップの最後にファシリテーターを務めた部員は「欧米でハグは当たり前だけど、日本にはないから抱きつこうとすると驚く。常識や価値観は違う。異文化を理解して、日本に来てくれた人と交流しよう」と語りかけていた。

 参加した中学生は「(2回目に)出来るが急に減ったなと思って不思議だったけど、種明かしで納得できた」と腹落ちした様子を見せていた。

一人入れ替わったあとのひとコマ。「出来る」が親指を立てる(写真奥)と、輪っかを作るの2通りになっているため、違いが生まれる

本当は身近なSDGs 一人ひとりが考えるだけで地球規模にできる取組

 「地球規模のこととなると、自分の立場で何が出来るのかと考えてしまい、入部を躊躇していた」と話すのは、1年の終わりに入部したという中島光陽さん(2年)。

 実際は週に1度の活動や出来ることを無理なく取り組むなど、「“ゆるい”活動だった」としたうえで、「考えるだけで地球規模にできる」と説明。身近な世界が地球規模につながるのがSDGsだと訴える。

 部長を務める木須裕人さん(2年)は「コロナで校内がメインになっているが、商店街でのボランティアなど、外にも発信していきたい。作成したワークショップも披露できれば」と話している。

 同校によると、小学生への授業やイベント時など、ワークショップの開催は可能とのこと。「気軽に相談を」としている。

■(用語解説)SDGsとは…

2015年9月、国連サミットで加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すとして、「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉」などの17のゴールと、それらに基づく169のターゲットから構成される。地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。

JAPAN SDGs Action Platform(外務省HP)


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