子どもたちが活動当日に拾ったゴミ

 鶴見小学校の授業をきっかけに広がったゴミ削減の取組「Let’s ツルスイ大作戦!」が、3月20日、鶴見川の生麦河口干潟やナイス㈱本社、シァル鶴見などで行われた。

 ツルスイは、鶴見川水族館の略。鶴見川にたくさんの生きものが生息していることを魅力として伝えることで、川沿いや街なかからゴミの削減を目指す取組だ。

鶴見STGsラボの定例行事

 2021年度から鶴見小学校の児童が総合的な学習の時間の中で進めてきたもので、世界全体で取り組む持続可能な開発目標「SDGs」の「D」を鶴見川の「T」に変えた造語「STGs」(Sustainable “Tsurumigawa” Goalsサステイナブル“ツルミガワ”ゴールズ)=持続可能な鶴見川の目標をテーマに活動を続けている。

 昨年度には、趣旨に賛同した鶴見区内の企業や団体、行政などが参加し、関心のある人が誰でも参加できる団体として「鶴見STGsラボ」を設立。

 毎年春分の日を活動日として定め、今年が2回目の実施となった。

一年通し学校内外で啓発

 今年度(2023年度)に取組を進めてきたのは鶴見小学校5年1組と2組の児童たち。

 両クラスとも地球環境の視点からゴミ問題に着目。これまで先輩たちがつないできたツルスイのバトンを受け継ぎ、横浜市庁舎でのワークショップへの参加やシァル鶴見でのツルスイ実施、總持寺でのイベント出演など、一年を通し学校内外で啓発活動に励んできた。

ゴミ拾いから生きもの採取

 「Let’s ツルスイ大作戦!」当日は、児童40人と鶴見STGsラボのメンバーらが参加。鶴見小学校に集合したあと、道ばたや川沿いのゴミを拾いながら生麦河口干潟まで歩いた。

 生麦河口干潟では、鶴見川の生態調査などを行う団体「鶴見川流域ネットワーキング」の指導のもと、児童たちが生きものを採取。

 当日は潮や強風の関係で難しいコンディションだったにもかかわらず、魚4種類、エビ2種類、カニ1種類の生きものが見つかった。

 また、児童たちは拾ってきたゴミを使い、アート作品にも挑戦。枝なども駆使し、ゴミ袋をウロコに見立てて魚を作った。

生麦河口干潟で鶴見川流域ネットワーキングのメンバーとともに生きものを採取する児童ら参加者

拾ったゴミで作ったアート作品

シァル屋上とナイス本社で発表も

 午後の部は会場をナイス㈱本社とシァル鶴見屋上に移し、シァル鶴見屋上では「ツルスイ」をPR。

 手作りのゲームやクイズで来館者に鶴見川の魅力を発信し、児童たち考案のオリジナルダンスも披露した。

 発表ステージとしたナイス本社では、児童たちが今年一年の活動の成果を発表。YouTubeでのライブ配信も行われた。

 参加した児童たちは「大変だったけど、いろんな課題や魅力を発信できてよかった」「地域の人と関われてよかった」などと話し、活動当初は鶴見川をよく知らなかったという児童は「いろいろなことを知るきっかけになった。魅力を伝えることができたと思う」と充実した表情を見せた。

シァル鶴見の1階入口に置かれたポスター

オリジナルソング「僕たちアイギョルズ!」に合わせ、ダンサーのAMIさん監修のダンスを披露

ナイス本社での発表の様子(写真提供)


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