手作りで無添加のソーセージを中心に、「本場ドイツの味」が楽しめると人気を呼ぶ鶴見銀座商店街の「BARDUHN(バルドゥーン)ドイツデリカテッセン」=鶴見区鶴見中央4-6-10イルプリモ木曽屋1階=。 評判の様子を探りに、ドイツ人オーナーシェフのバルドゥーン・トビアスさんに話を聞いた。

オーナーシェフのバルドゥーン・トビアスさん

 「何百年と続く伝統のレシピがあったり、一言では言い尽くせない味。たくさんのスパイスやハーブが入っている」

 本場と言われるドイツのソーセージは、地方や家庭ごとに違うという味が特徴と説明するトビアスさん。

 バルドゥーンでは、そんな本場のソーセージを一本一本手作りで作っている。

 業界では主流というスパイスミックスは使わず、すべてこだわりの無添加。味の決め手となるスパイスやハーブの配合は、トビアスさんが試行錯誤を重ねたオリジナルだ。

 購入者の感想は、ドイツに行ったことがある人は「これだ」と納得し、ない人のほとんどは「日本との味の違いに驚く」という。

 「日本のソーセージはパリッとするが、ドイツではしない。肉の美味しさを味わえる」と紹介。素材は日本の国産豚で、トビアスさんがソーセージやハムに合うものを吟味している。

店内のショーケースに並ぶのはトビアスさんが吟味した素材で手作りした製品ばかり

生物学者として来日 1年の約束乗り越え店舗まで

 「自分で食べたくて作ったら周りの反応がよくて」

 フランスの国境に近いドイツ西部で生まれたトビアスさん。実はもともと、研究員として理化学研究所で働くために来日した生物学者だった。

 2011年、5年契約で来日。その間、後に妻となるえりこさんとの出会いもあり、日本での生活を決意したという。2017年に潮田に工房を設置。当初はキッチンカーでのみ催事販売するスタイルで、鶴見区内では鶴見銀座商店街のイベントなどに出店していた。

 「最初は1年限定で、うまくいかなければやめるという約束だった」と明かす妻のえりこさん。「だんだん慣れてきて、楽しさも増してきた」というトビアスさんの言葉通り、催事販売を軌道に乗せ、念願だった店舗を昨年7月にオープンさせた。

都内や川崎市内などにも遠征するキッチンカー

「スーパーにはない本物の味」

 1番人気は肉の歯ごたえも楽しめる「粗挽き」で、なめらかな食感の「絹引き」とともにバルドゥーンオリジナル。

 1日に多いときでは700本以上を作るというソーセージは、「毎日作る前日から分量をはかって準備して、一から手作業はドイツでも普通じゃない」と笑う。

 そのこだわりが評価され、セレクトショップやBAR、飲食店などへの卸売も実施しているという。

 現在は店舗販売と週末のキッチンカー販売の“2刀流”で本場の味を伝えているトビアスさん。「スーパーでは売っていない、本当の味をぜひ楽しんでほしい」と話している。

 ソーセージのほか、サラミや生ハム、パン、ケーキ、ビールなども販売。各種ギフトセットも対応している。

ジューシーな肉の旨味とスパイスやハーブのアクセントが食欲をそそるソーセージ

瓶詰めやパンなども販売

時期に合わせたケーキも人気

多文化のまち鶴見でドイツの味を伝えるバルドゥーンファミリー

【BARDUHNドイツデリカテッセン】

■住所 横浜市鶴見区鶴見中央4−6−10イルプリモ木曽屋

■営業 10時30分〜19時30分

■定休 月曜日

■問い合わせ ホームページ Instagram(@barduhn_delikatessen)


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